a beautiful day for diffusion of a death by exposing it to the elements.
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前編はこちら。
http://fusohbiyori.blog.shinobi.jp/Entry/95/
どうやら私は青姦が好きみたいです。というか部屋に移動すんのとかマジめんどくさくね? というティ-ネイジャー・マインドの信奉者です。
http://fusohbiyori.blog.shinobi.jp/Entry/95/
どうやら私は青姦が好きみたいです。というか部屋に移動すんのとかマジめんどくさくね? というティ-ネイジャー・マインドの信奉者です。
だが仙蔵は呆気(あっけ)にとられている文次郎など気にも留めないかの様子で、まるで舞台上の役者が客席に向かってするように、朗々と続けた。
「お前はあの夜、迷子になっていたのだったな。夜半に子供がひとりで、賊にも殺されず獣にも食われず、よくもまぁ無事だったものだ」
文次郎は、意識をどこか遠いところにすぅっと引っ張られたような気がした。そういえばずっと昔、そんなふうに迷子になったことがあるような、ないような……。
だが、三つの頃などとは、あまりにも遠い昔のことすぎる。あったと言われればあった気もするし、ないと言われればなかったと答えるしかない。所詮はそれだけのことに過ぎないような気もした。
「あのときお前は運良く水筒を持っていた。その最後のひとくちを……お前の命綱になるかもしれない最後のひとくちを、お前は私にくれたのだぞ。私はそれにいたく感動して、こうしてお前の前に化生して出てきた、というわけだ」
「………………………………」
文次郎は凍りついたように固まったまま、自分の正体とやらについて啖呵を切った仙蔵を見つめた。
不自然な沈黙が続いたせいだろうか、虫の音が、先ほどまでに比べてやけに大きく感じられた。
「…………信じてないだろう」
両手を広げた芝居じみた格好のまま、仙蔵はニヤリと笑った。
「信じるほうがどうかしている」
文次郎は仙蔵に背を向け、ふてくされたように胡坐をかき、頬杖をついた。信じたいような気もするが、あまりにも現実味がなさすぎる。苦笑いすらできなかった。
すると突然、後ろから、
するり
と、首に、瑞々しく真っ直(す)ぐな仙蔵の腕が巻きついた。
「信じても良いのだぞ。何しろ私はお前に礼をするために、こうやって化生したのだからな」
文次郎の、鍛えたばかりの鉄のような精悍な横顔、その耳元を優しく噛もうとでもするかのようにくちびるを近づけて、仙蔵はささやく。
だが文次郎は、振り向きもせずに言い捨てた。
「荒唐無稽すぎる。お前らしくもないな。もう少し上手な嘘をつけ」
今までも何度か、こいつの戯言に踊らされたことがある。この年になってまでそんなことに付き合うのは、まっぴらごめんだった。
「荒唐無稽なことは事実にはなり得ぬとでも? 事実というのはな、人の思いや願いが積み重なったところに生じるものだ」
「禅問答でもするつもりか。何が言いたい?」
「たまには物事を逆から考えるのも楽しいものだぞ。いいか、これは私とお前のほかには誰も知らないこと。
私とお前がそういうことがあったと思えば、
それは、事実になる」
二人のいる谷底を、水のにおいを含んだ清々しい風が吹き抜けた。あたりの草が一斉にさぁっとなびき、その上で薄氷(うすらひ)のように輝いていた月光が、ぱっと粉々になって散ったかのように思われた。
「お前と離れたら私は、永遠の夜のような、草木(そうもく)の世界に戻る。何十年も何百年も、また眠るんだ。ただ、お前の夢を見るときに、あぁ、花の咲く秋が来たのだと眠りのなかで気づくのだろうよ」
ひとりごとのように呟く仙蔵の声が、風の中に織り込まれるようにして、煌然と月の輝く濃藍色の天空に吸い込まれていく。目にこそ見えぬものの、たしかに 息づきながら舞うその言の葉のひとひら、ひとひらは、まるで散りゆく桜の花びらのようにせつなく、美しく感じられた。
気の遠くなるような長い夜の底で、まどろみのうちに、うつつの頃を夢見ながら藍紫色の花を咲かせる竜胆のすがたを、文次郎は思った。
文次郎はしばらく押し黙ったままでいたが、やがて
「礼はいらん。佳(よ)い夢を見ろ」
と、仙蔵のほうに向きなおり、この男にはあまりにも不似合いな、後朝(きぬぎぬ)の文をしたためるような手つきで仙蔵を抱いた。
それから数年ののち。
仙蔵の行方はすでに、杳(よう)として知れなくなっていた。
あの夜の仙蔵の話が、本当だったのか冗談だったのかはいまだにわからないし、そもそも確かめるすべもない。おそらくは冗談であったのだろうと、文次郎は思っている。
だが、秋が来て竜胆を目にすることがあると、仙蔵は今、どんな夢を見ているだろうかと思いを巡らせている自分にもまた、気が付くのである。
「お前はあの夜、迷子になっていたのだったな。夜半に子供がひとりで、賊にも殺されず獣にも食われず、よくもまぁ無事だったものだ」
文次郎は、意識をどこか遠いところにすぅっと引っ張られたような気がした。そういえばずっと昔、そんなふうに迷子になったことがあるような、ないような……。
だが、三つの頃などとは、あまりにも遠い昔のことすぎる。あったと言われればあった気もするし、ないと言われればなかったと答えるしかない。所詮はそれだけのことに過ぎないような気もした。
「あのときお前は運良く水筒を持っていた。その最後のひとくちを……お前の命綱になるかもしれない最後のひとくちを、お前は私にくれたのだぞ。私はそれにいたく感動して、こうしてお前の前に化生して出てきた、というわけだ」
「………………………………」
文次郎は凍りついたように固まったまま、自分の正体とやらについて啖呵を切った仙蔵を見つめた。
不自然な沈黙が続いたせいだろうか、虫の音が、先ほどまでに比べてやけに大きく感じられた。
「…………信じてないだろう」
両手を広げた芝居じみた格好のまま、仙蔵はニヤリと笑った。
「信じるほうがどうかしている」
文次郎は仙蔵に背を向け、ふてくされたように胡坐をかき、頬杖をついた。信じたいような気もするが、あまりにも現実味がなさすぎる。苦笑いすらできなかった。
すると突然、後ろから、
するり
と、首に、瑞々しく真っ直(す)ぐな仙蔵の腕が巻きついた。
「信じても良いのだぞ。何しろ私はお前に礼をするために、こうやって化生したのだからな」
文次郎の、鍛えたばかりの鉄のような精悍な横顔、その耳元を優しく噛もうとでもするかのようにくちびるを近づけて、仙蔵はささやく。
だが文次郎は、振り向きもせずに言い捨てた。
「荒唐無稽すぎる。お前らしくもないな。もう少し上手な嘘をつけ」
今までも何度か、こいつの戯言に踊らされたことがある。この年になってまでそんなことに付き合うのは、まっぴらごめんだった。
「荒唐無稽なことは事実にはなり得ぬとでも? 事実というのはな、人の思いや願いが積み重なったところに生じるものだ」
「禅問答でもするつもりか。何が言いたい?」
「たまには物事を逆から考えるのも楽しいものだぞ。いいか、これは私とお前のほかには誰も知らないこと。
私とお前がそういうことがあったと思えば、
それは、事実になる」
二人のいる谷底を、水のにおいを含んだ清々しい風が吹き抜けた。あたりの草が一斉にさぁっとなびき、その上で薄氷(うすらひ)のように輝いていた月光が、ぱっと粉々になって散ったかのように思われた。
「お前と離れたら私は、永遠の夜のような、草木(そうもく)の世界に戻る。何十年も何百年も、また眠るんだ。ただ、お前の夢を見るときに、あぁ、花の咲く秋が来たのだと眠りのなかで気づくのだろうよ」
ひとりごとのように呟く仙蔵の声が、風の中に織り込まれるようにして、煌然と月の輝く濃藍色の天空に吸い込まれていく。目にこそ見えぬものの、たしかに 息づきながら舞うその言の葉のひとひら、ひとひらは、まるで散りゆく桜の花びらのようにせつなく、美しく感じられた。
気の遠くなるような長い夜の底で、まどろみのうちに、うつつの頃を夢見ながら藍紫色の花を咲かせる竜胆のすがたを、文次郎は思った。
文次郎はしばらく押し黙ったままでいたが、やがて
「礼はいらん。佳(よ)い夢を見ろ」
と、仙蔵のほうに向きなおり、この男にはあまりにも不似合いな、後朝(きぬぎぬ)の文をしたためるような手つきで仙蔵を抱いた。
それから数年ののち。
仙蔵の行方はすでに、杳(よう)として知れなくなっていた。
あの夜の仙蔵の話が、本当だったのか冗談だったのかはいまだにわからないし、そもそも確かめるすべもない。おそらくは冗談であったのだろうと、文次郎は思っている。
だが、秋が来て竜胆を目にすることがあると、仙蔵は今、どんな夢を見ているだろうかと思いを巡らせている自分にもまた、気が付くのである。
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一. 日本史から入ったタイプなので、落.乱、忍.た.ま以外のアニメ、マンガ、ゲームの話にはついていけないことが多いです。申し訳ない!
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