a beautiful day for diffusion of a death by exposing it to the elements.
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畳んでおきます。
彼は自分が突きたてた刃の下から、陰気な経のような呻き声が立ち昇ってくるのを聞いていた。
あと数秒もせぬうちに、ヒトではなく、モノとなるであろう「それ」は、顔を苦痛に歪ませることもなく、眼球を目に見えぬ矢に射抜かれたかのように、晴れた空をまっすぐに見上げている。
彼らを囲み茫として広がるすすきが、秋の風を受けて、何かを一斉に手招きするかのように、ゆるやかな弧をつぎつぎと描いて揺れた。
「死ぬのは嫌か」
傷ひとつない彼のほうが、まるで救いを求めるかのような口調で、今やヒトとモノの間をたゆたう「それ」に尋ねた。
すると、「それ」は
「わからん。疲れた。ゆっくり眠れるのなら、どうでもいい」
と、彼ではない誰かにそっと打ち明けるように答え、最後に大きくひとつ息を吸うと、まどろみの中に沈んでいくようにして死んだ。
彼の今日の任務が終わった。
真っ白に干からびた昼間に、彼はまた一人とり残された。
目に見えるものすべてが、どこもかしこも乾ききって、今にもひび割れていきそうに感じられる。
だから昼間は嫌いだ、とその中を、自分の体重を忘れたように歩きながら、彼は思う。
ひどく疲れていた。今すぐにでも、どこかに横になって休みたい。
だが、眠れるかどうかはわからなかった。体は節々が強く痛むほど疲弊しているのに、頭は冴え冴えとしている。
こんなときは、自分は本当は、疲れているわけでもないのに、何か嫌なことを見たり考えたりしないでいるために、疲れているのだと思い込もうとしているのではないかという、自分への不信のような気持ちがよぎる。
山の麓にある、今は打ち捨てられた炭焼き小屋に入ると、彼は、囲炉裏以外に何もない板敷の上にごろりと寝転んだ。明かり取りのために作られた小さな窓から、青空が見える。
ずいぶん歩いてきた気がするのに、空はいっこうに暗くなる気配を見せない。残酷なほどあおあおとした天蓋に、彼には聞こえない音楽がけたたましく鳴り響いているような気がして、実際には小鳥の囀(さえず)り以外何も聞こえやしないのに、ひどくやかましさを感じる。
あぁ、早く夜が来ればいい。
そこへ、これもまた疲れた顔をして、照星が小屋に入ってくる。
彼は横たわったまま振り向きもしない。
照星はかつて、銃を扱うことを怖いと思っていた時期がある。誰かを殺すことや、誰かに見つかって逆に標的にされることが怖いというような、実体のある怖 さではなくて、銃を手にするたびに、何か大事なものがポロポロと落ちていくような気になる、そんな靄(もや)のような怖さである。
だがそんなことを言っていたら、とてもじゃないが「仕事」にはならない。それで無理をして使っているうちに、ついに彼の中の何か大事なものはすべて無くなり、そのとき、彼はこの世界にしがみついているために必要ないくつかの方法を、すべて忘れてしまった。
白昼の強い日差しのなかで、ただひたすら眠りたいという思いが、彼らを引き寄せた。
お互いへの悲しい理解から、もはやお互いでないと勃たなくなった体を丹念に愛撫し合いながら、何となくの流れで、今日は、彼のほうが受け入れることになる。包帯の下は、焼けただれながらもかえりみられることのなかった肌が、荒んだ大地のように広がっている。
「ゆっくり眠れるなら、どうでもいい」
挿れられる寸前、彼は、相手に聞こえるか聞こえないかわからないほどの小さな声で呟いた。
彼らは自分たちのなかの夜を、せめて黄昏を、探り合うようにしてお互いの体を貪るが、それはどこからも、二度と見つけ出せない。
今はもう、痛みと快感がもはや分別することなど不可能なほど汚らしく混じり合ったすえに生じた、気の狂いそうな熱気のうえに、陽炎として、ときどき揺らめくことしかない。
あと数秒もせぬうちに、ヒトではなく、モノとなるであろう「それ」は、顔を苦痛に歪ませることもなく、眼球を目に見えぬ矢に射抜かれたかのように、晴れた空をまっすぐに見上げている。
彼らを囲み茫として広がるすすきが、秋の風を受けて、何かを一斉に手招きするかのように、ゆるやかな弧をつぎつぎと描いて揺れた。
「死ぬのは嫌か」
傷ひとつない彼のほうが、まるで救いを求めるかのような口調で、今やヒトとモノの間をたゆたう「それ」に尋ねた。
すると、「それ」は
「わからん。疲れた。ゆっくり眠れるのなら、どうでもいい」
と、彼ではない誰かにそっと打ち明けるように答え、最後に大きくひとつ息を吸うと、まどろみの中に沈んでいくようにして死んだ。
彼の今日の任務が終わった。
真っ白に干からびた昼間に、彼はまた一人とり残された。
目に見えるものすべてが、どこもかしこも乾ききって、今にもひび割れていきそうに感じられる。
だから昼間は嫌いだ、とその中を、自分の体重を忘れたように歩きながら、彼は思う。
ひどく疲れていた。今すぐにでも、どこかに横になって休みたい。
だが、眠れるかどうかはわからなかった。体は節々が強く痛むほど疲弊しているのに、頭は冴え冴えとしている。
こんなときは、自分は本当は、疲れているわけでもないのに、何か嫌なことを見たり考えたりしないでいるために、疲れているのだと思い込もうとしているのではないかという、自分への不信のような気持ちがよぎる。
山の麓にある、今は打ち捨てられた炭焼き小屋に入ると、彼は、囲炉裏以外に何もない板敷の上にごろりと寝転んだ。明かり取りのために作られた小さな窓から、青空が見える。
ずいぶん歩いてきた気がするのに、空はいっこうに暗くなる気配を見せない。残酷なほどあおあおとした天蓋に、彼には聞こえない音楽がけたたましく鳴り響いているような気がして、実際には小鳥の囀(さえず)り以外何も聞こえやしないのに、ひどくやかましさを感じる。
あぁ、早く夜が来ればいい。
そこへ、これもまた疲れた顔をして、照星が小屋に入ってくる。
彼は横たわったまま振り向きもしない。
照星はかつて、銃を扱うことを怖いと思っていた時期がある。誰かを殺すことや、誰かに見つかって逆に標的にされることが怖いというような、実体のある怖 さではなくて、銃を手にするたびに、何か大事なものがポロポロと落ちていくような気になる、そんな靄(もや)のような怖さである。
だがそんなことを言っていたら、とてもじゃないが「仕事」にはならない。それで無理をして使っているうちに、ついに彼の中の何か大事なものはすべて無くなり、そのとき、彼はこの世界にしがみついているために必要ないくつかの方法を、すべて忘れてしまった。
白昼の強い日差しのなかで、ただひたすら眠りたいという思いが、彼らを引き寄せた。
お互いへの悲しい理解から、もはやお互いでないと勃たなくなった体を丹念に愛撫し合いながら、何となくの流れで、今日は、彼のほうが受け入れることになる。包帯の下は、焼けただれながらもかえりみられることのなかった肌が、荒んだ大地のように広がっている。
「ゆっくり眠れるなら、どうでもいい」
挿れられる寸前、彼は、相手に聞こえるか聞こえないかわからないほどの小さな声で呟いた。
彼らは自分たちのなかの夜を、せめて黄昏を、探り合うようにしてお互いの体を貪るが、それはどこからも、二度と見つけ出せない。
今はもう、痛みと快感がもはや分別することなど不可能なほど汚らしく混じり合ったすえに生じた、気の狂いそうな熱気のうえに、陽炎として、ときどき揺らめくことしかない。
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一. 日本史から入ったタイプなので、落.乱、忍.た.ま以外のアニメ、マンガ、ゲームの話にはついていけないことが多いです。申し訳ない!
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